掌蹠膿疱症
中肉中背の64歳、男性が来店されました。
一年ほど前から、手のひら、足の裏に湿疹が出現したそうです(掌蹠膿疱症)。
病院は3ヶ所受診したのですが、内服や外用薬で改善せず、漢方なら、と思われ相談にこられたそうです。
既往歴は高血圧症で降圧剤を服用です。
来店される4ヶ月前より爪まで侵され、皮膚がめくれ赤みもあり、痛みがひどく、手袋をしていらっしゃいました。
細菌検査では真菌が少し検出されましたが、特に顕著なものは認められませんし血液検査も異常なしでした。
この方は皮膚症状が顕著に出ています。
中医学において皮膚は呼吸器の一部で「肺」の症状と捉えます。
また病状が慢性化している状態では「腎」が関係してきます。
そこで肺と腎を補う漢方薬と、皮膚の赤みとかさつきを取る漢方薬と、体の中の熱をとる漢方薬をお渡ししました。
(14日分で約8000円)
またステロイド軟膏を中止していただいたので、一時的に症状の悪化もあることをお伝えしました。
初めはやはり赤みと痛みなど不快な症状が出ました。
これは、ステロイドのリバウンドと皮膚再生過程で一時的に炎症部分の血流が良くなった為と考えられます。
その後、悪化と改善を繰り返しつつも、1ヶ月ほどで軽減していきました。
軟膏は「中黄膏」を、スキンケアに、リスブランの低刺激ローションの「NON E」を使って頂きました。
その後も同じものにて2ヶ月ほど経過し、手の方はずいぶんよくなりましたが、足はまだ赤みとかさつきがありましたので、体の中の熱をとる漢方薬から体の中の熱を取りながら潤いを増す漢方薬へ変更して、さらに咽頭の化膿の症状をとる漢方薬を併用して(2ヶ月間)頂きました。
(14日分で約8000円)
その後、手の方はほとんど症状がなくなり、足に少し残る程度になり、体の中の熱を取りながら潤いを増す漢方薬を中止して、肺腎を補う漢方薬と手足のほてりを取る漢方薬と咽頭の化膿の症状を取る漢方薬の組み合わせで1ヶ月間服用していただき(14日分で約8000円)、ほとんど症状がなくなったために服用を終了致しました。
ここまで6ヶ月が経過しました。
この方は、経過を写真で撮られていた為、それをご持参して頂き大変満足していらっしゃいました。
そのお顔をみてこちらも大変うれしく思いました。
吉祥寺東西薬局